2013/06/17

遊びは創造性を養うか - Image Making

以前書いたキノコ狩りのクラスを含め、大学時代、たくさんの刺激的で面白い授業を取っていました。
その中で、美術の授業にImage Makingというクラスがありました。
先生は評判の良い陶芸の先生で、周りからも楽しいクラスだよと評判を聞いていました。

春学期。クラス初日。生徒総勢15人くらいが先生に連れて行かれた場所はキャンパス近くの原っぱ。
そこで先生から出された課題は「木登り。」
「自分の好きな木を見つけて登ってください。それが本日の課題です。」と先生。

どうしてよいかわからずぼんやりしている私を除いて、生徒たちは各々好きな木を見つけに散り散りになっていきました。
30分もしないうちに、大体の生徒が自分の木を見つけて登っている様子。私は一人登れる木を探し続け、ようやくちょうどよさそうな木を見つけた頃には、みんな木にのぼっていました。

木に登って周りを見渡すと、生徒たちはめいめい楽しんでいて、中にはサルの鳴きまねをして、遠くの仲間(生徒?サル?)とコミュニケーションを取っているモノもいました。(これは課題では特に言われていない。。。)
生徒たちの順応性の高さに驚き、「なんだか変わったクラスだなー。」
面白いというよりまだ若干自分を捨てられない自分を感じながらその光景を見てました。

そのほかに覚えている授業は・・・
-鬼ごっこ(としか言いようがない):原っぱで生徒は「類人猿」として「家族単位」で食料(花とか葉っぱ、根っことか)を採取して過ごす。たまに先生の仕込んだ外敵(ライオンの仮面をかぶった他のクラスの生徒)が現れるので、逃げる。オスはみんなを守るために戦う。 家族という設定のため、赤ちゃんとして各種ぬいぐるみも準備。
これは確か2回目の授業で、大勢の大人が鬼ごっこしていたため怪しまれ、白パトが何台か様子伺いに来た。

-火おこし:使われていない線路のそばで授業。3,4人のグループに分かれ、線路で使われていた石、もしくは木の枝などを使って火をおこす。なかなか成功しない。葉っぱでカゴとかを編むのが得意な生徒が数人いたので、葉っぱを編んで鍋を作り、近くの川から水を汲んでくる。起こした火(最後はライターだのみ)で葉っぱや花などを煮込んで食べ物作り。

-神殿作り:川の近くで授業。3,4人のグループに分かれ、それぞれのグループがそれぞれ思い描く「Shrine」(神殿)を作るのが課題。場所も材料もすべてグループが考える。 
各グループのShrineは主に、川に水が流れ込む入口、川の中州、木の根にある大きなウロ。などに作られてました。
事前に情報はなく好きな場所に作って良いはずなんだけど、これってたぶん古代の人たちも同じような場所に作っただろうなと思わせる場所ばかりにshrineが作られていて、とても興味深かった。

-クエスト:授業最終日。マイティマウスという敵につかまったお姫様(二人とも他のクラスの生徒)を救うため、ヒントを頼りに森を進んでいく。ヒントは「オラクル」という魔法使いに化けた先生が持っているので、頭に宇宙人のアンテナ付カチューシャをかぶり自転車に乗ってウロウロしている、オラクル(先生)を探す事から始める。オラクルに会ったら、ヒントをもらう代わりに何か提供しなくてはいけない。気に入らないものの場合はヒントをくれない。 最後はお姫様を救出し、救出するまでのヒント探しやオラクルとの体験などを話して終了。

他にもいろんな授業があったと思うけど、特に覚えているのは上の4つ。
そして、一度だけ雨が降って屋内で授業をしたことがあり、それもとてもインパクトのあるものでした。
その時先生は幅30cm位のとても太い巻物を持ってきて、学校の廊下に少しずつ広げ始めました。
それは生命誕生からの年表で、しかも「端折り(年表の波線とかでの年代飛ばし)」なし。
詳しくは覚えてないけど、確か1000年が10cmとかそのくらいの幅だったと思う。(もっと小さかったかもしれない。。)
年表はとにかく長くて、廊下を何周もした。そして、私たち人類が誕生してから現在は最後の1メートルくらいの中に納まっていて、驚いた。
人類が誕生してから現在は長――――――い歴史の中のほんの最後の一部だという事を本当に本当に視覚で見せられた衝撃は今でもずっと残ってます。

そんな授業もれっきとした単位のもらえる普通のクラスで、テストとかはないので、基本的には出席さえしていればOK。

全ての活動がインパクトが強く、Image Making(創造性を高める?かな)というタイトル通り、刺激的で学ぶことの多いクラスでした。

そして今改めてこのクラスを考えたときに気付いたこと。
それは、私たちが授業を通して「人類の歴史」を体感していた事です。

木に登り猿人として活動した時代を経て、グループを作り家族単位で過ごす類人猿となり、火をおこし食べものに火を通すという知恵を付け、目に見えないものの力(神様などの崇拝対象)を信じ、あがめるという(宗教)文化を作る。そしてオラクルに象徴される人とのコミュニケーションを通して大事なものを見つける。
きっとそのあとは私たちは生きるための知恵として、知恵を分野ごとに分けて学問なんかも身に着けていくのだろう。 

町の名前を聞いたらほとんどのアメリカ人が、「あーあのヒッピーの町ね」と言うような町の大学ならではの授業かもしれない。
だけど、20年近くたった今でも覚えていられる授業ってそんなにないと思う。
キノコの授業しかり、Image Making しかり、覚えている間に書き留めておきたいなと思い書いてみました。

これからも思い出の授業、書いて行こうと思います。

長いのでJapanese Only 

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